空と文字(MOUNTAIN)

登山へのきっかけ パート1

まさに今だから話せることです。10年前ならムリ・・・笑 担当:まゆぼん

沢山へのハイキング
平成元年(西暦1989年)の10月15日、私(当時8歳)、弟(当時6歳)、お父さん、お母さん、じいの5人は裏山へ出かけました。
本当に何気ない気持ちでお昼頃には帰れるだろう、と誰もが思っていました。しかし、それが大いなる失敗の始まりなのでした。沢山の奥には「沢池」というきれいな池があります。目的地の沢池に向けて我々は出発しました。なかなか厳しい山道なのですが、どうにか沢池までは到着し、みんなで楽しくおにぎりを食べました。

大失敗その1
私たち家族は沢池で楽しい時間を過ごしました。そして、さて帰ろうかというとき、誰かが言ったんです。「来た道を戻らず反対側から帰ってみよう!」「そうやな、挑戦してみよか」・・・・これが悪夢の始まりでした。それは家の方向とはまったく逆で、もうひとつ山を越えることを意味していたのです。歩けど歩けど、どんどん知らない土地に出てしまいます。弟は幼かったので文句を言い出し、仕方なくじいが肩車をして歩いてくれました。とはいっても弟は非常に大きな子だったので、今から思うとじいは相当しんどかったでしょう。

大失敗その2
そしてようやく私たちは、ひとつのバス停を見つけました。そこには家の方向へ行く「JRバス」の文字が輝いていました。私たちはくたくたの体を休めながらバスを待ち、バスが来たとたんそれに飛び乗りました。「ああこれで家に帰れる」誰もが安堵の気持ちでいました。母は疲れのせいでバスに酔ってしまいました。そして下車するバス停が近づいてきた時、その事件は前触れもなく起こりました。・・・「お金がない!」母が突然叫んだのです。そうです、私たちは軽いハイキングの気持ちで家を出たため、ほとんどお金を持っていなかったのです。じいは、少し持っていたのですが・・・。それで、なんとも情けないことに、じいの持っていた1000円札1枚と小銭を全部払い、あとは事情を理解してくださった優しい運転手さんに許していただいたのです。


空と文字(MOUNTAIN)