ネイル

幼い頃からの夢だった小学校の先生になった。
始めて担任したのは、5年生の子どもたち。
そろそろお洒落に興味の出てきたおませな女の子が、耳元を覗きに来る。
「先生、イヤリングしてるの?」
お洒落を忘れない先生は喜ばれたけれど、毎日が精一杯の22歳は、
「どうしたら、もっと大人っぽく見えるかしら」
という、今では夢のような悩みや、図工や体育も全てひとりで教えなければならないという現実に流されつつもあった。

「ザッブ〜ン!」
若いからやるっきゃない!プールでは、飛び込みの模範演技(のつもり)もやって見せた。
「わあ〜先生の顔、面白〜い!」
子どもたちには、飛び込みそのものより、水から出た私の顔の方に興味があったようだが・・。

そんな日々が何とか一年過ぎた頃、私は電子オルガンのレッスンに通い始めた。
自分の中から「今ここにない何か」を求める声が聞こえたのかもしれない。
仕事帰りにバタバタと駆けつけたレッスン室では、上品で知的で優しい先生が待っていてくださった。
その先生の爪のきれいな赤い色のマニキュア。
長い爪の派手なイメージの赤ではなくて、私と同じ鍵盤を弾く人の、短く切られた爪の真紅。
子どもたちと先輩の先生に囲まれた学校から、小さなレッスン室に入った瞬間、私は「先生」から「生徒」に変わる。
そのことが、心地良かった。

慣れない電子オルガンの足鍵盤、未経験のリズム・・・戸惑う私の前で、先生の赤い指先が奏でる音。

憧れの気持ちを抱きながら、それからもずっと、私の爪は淡い色でしか彩られることはなかった。
きれいな口紅とマニキュアのセットをいただいても、使うのは口紅だけ。

セットの口紅だけ、ずいぶん残り少なくなってきたなあ。
昨日、ふと思った。
「あのマニキュア、塗ってみようか。」

「うん、なかなかいいやん。」
指先を見つめる度、ちょっぴり嬉しくなって。


「自由に」なっていってる私が、ここにいる。   
                        
2005/07/01(Fri)

                       

by yayako
ResComment

かなっぺ
これからも もっとおしゃれを楽しんでくださいね。そういえば私もネイルアートを楽しむゆとりを失くしています・・・(*^_^*)
「なかなかいいやん」と指先を見つめるゆみこさんが目に浮かびまーす♪ (2005/07/01(Fri)


ブラちゃん:ネイル大好き!特に、朱色のがね。以前は、好きでよくしていましたね。変わったアレルギーの持ち主で、両手の爪が全部剥れてしまったことがあって、それからはあまりしなくなりました。
おしゃれしてお出掛けするときは、しますけど、普段は生のまま・笑
ネイルアートも最近流行りですね。一ヶ月3800円で何回でもというお店がありますよ。
一度行ってみたいなぁ〜と思っていますが中々時間が取れないです。
(2005/07/02(Sat)

Mary:私もネイルが大好き!
でも、本当に形の悪い短い爪。おまけに、ネイルをつけ続けると割れてしまう弱い爪です。
ネイルをつけるときは、思いっきりおしゃれをした時。その時は綺麗な赤をつけています。
ゆみこさんは、どんな色をつけてみましたか?
たまにつけると、楽しい気分になりますね〜(*^ ^*) (2005/07/02(Sat)


ゆみこ:
かなっぺさん、ブラちゃん、Mary、コメントありがとうございます。
皆さん、爪のお洒落を楽しまれているのですね。
しないでも生きていけことをしてみることって、気持ちにゆとりがないとできないし、マニキュアは、女性ならではの楽しみですね。(最近は、男性でもされる方があるようですが、さすがに赤い色はできないですよね。)
ネイルアート、一回だけしていただく機会がありました。
その後は、嬉しくて、ちらちら指を見ては、喜んでいましたね〜(笑)ブラちゃん、1ヶ月3800円で何度でも・・とはお手頃ですね。

Mary、私がつけてみた色は、ジバンシイの口紅とのセットで、ちょっと濃いめのきれいなピンク色でした。爪の状態は、身体の健康状態にとっても敏感ですね。
(2005/07/03(Sun)


かなっぺ:自分でネイルアートをしていました。左手はうまくいくのですが左手に筆を持つのは難しいです〜。以前 マニキュアのない手を見ると ダンスの先生が「あれ?忙しいんだね」と良く私をからかっていました。最近は色々なカラーのマニキュアのビンも仕舞われたまま・・お近くだったら ゆみこさんの爪アートしてみたいなぁって気分に(*^_^*)  (2005/07/03(Sun)

ゆみこ:かなっぺさん、小さい手で、不細工な爪だけど、良かったらネイルアートしてほしいです〜♪
絵心あるかなっぺさんだからお上手でしょうねぇ。 (2005/07/03(Sun)


Rose:こんにちは。
>「自由に」なっていってる私が、ここにいる
これって、とても良い表現と思いました。ほんのちょっとしたことで、心が解き放たれるっていうこと、ありますよね。
私も普段は淡い色しか使いませんが、リゾート地に行った時には濃い色を付けたりします。
かなっぺさんの、自作ネイルはとっても可愛いのですよ♪
今度ゆみこさんとお会いする時のネイルの色はどんな色でしょう? (2005/07/04(Mon)

ばんちゃん:今回はコメントしようがないです。女性がおしゃれをしてくれたら夫子も嬉しいんでしょうからココへお集まりの皆さん大いに励んでください(^^*)/ (2005/07/04(Mon)

ゆみこ:Roseさん、ばんちゃん、コメントありがとうございます。
私自身の今まで生きてきた背景がわからないと理解できないような文章ばかり綴っているのでは・・とちょっぴり心配なのですが。
健康であれば、まだまだ色んなことができる・・今だからこそ。
きれいなネイルも私の人生を彩ってくれる小さな幸せです。
今日は、やっぱり淡いピンクです。いつかかなっぺさんにネイルアートしていただく日、きれいな濃い色の爪のRoseさんとリゾートに出かける日・・そんな日が来たら嬉しいです。

ばんちゃん、今、話題のクールビズをきっかけに、男性もどんど〜んお洒落して素敵になってくださいね♪(2005/07/07(Thu)

ばんちゃん:7月になって事務所の模様替えをしたら少し前の写真とかが色々出てきた、髪の毛がやはり黒々してたなああ、染めてみようか?ヘヤーマニキュアとかやってみようか?あはは (2005/07/17(Sun)


ゆみこ:ばんちゃん、男性は白髪まじりになってからこそ魅力が出るのだと思いますよ。ダンディズムを発揮するときですよ〜(*^_^*) (2005/07/20(Wed)

れんげ:30代の頃、テレビのローカル番組のアシスタントをしていました。お茶の間は女性のお洒落に敏感だから、マニキュアは派手な色はしないようにと言われて、いつも淡い色しかつけていませんでしたが、番組が終わってから、真っ赤なマニキュアをしたんです。心が解き放たれていくのを感じました。ゆみこさんのお気持ちがよく分かります。今は出かけるときだけ、ちょっと派手な色を楽しんでいます。 (2005/07/21(Thu)

ゆみこ:れんげさん、お話聞かせてくださってありがとうございます。なかなかできない貴重な体験をおもちなのですね。30代って、子供も小さいし忙しい時期のはずなのに、私もずいぶん色んなことができました。当時できたご縁が今だに続いていることも・・。私の場合は、本当に心が解放されるまで長い時間がかかりましたけれど、今までの時間があったからこその「今このとき」を大事にしたいな・・と思います。おしゃれは、やっぱり心身共にのゆとりがあってこそ。健康でありたいですね♪ (2005/07/23(Sat))



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