旅のスケッチブック

シルクロードの旅、中国編
月と砂漠、この2つの組み合わせの中に、
日本人のロマンの原型を見たような気がした

(写真左上に見えるのは月です。)
 
 初めて「シルクロード」という言葉に出会ったのは、小学生の頃だった。
 何かの本に書かれてあったと思うが、その言葉の横に、括弧して(絹の道)と記されてあった。
 絹の道?・・・
 東洋と西洋を結ぶその長い道には、きっと、途中で旅人が道を迷わないように、幅10メートルくらいの真っ白な絹の布が敷かれてあるのだろうと思った。
 その道の上を、食料や宝物をいっぱい載せたロバやラクダが隊列を組んで貿易商人たちに曳かれていく。山あり、谷あり、草原あり、そして砂漠あり・・・しかし白い道は途切れることなく、東は長安より、西はローマまで繋がっている。
 童謡「月の砂漠」の主人公も二人してこの道を歩いて行ったのか?
 ヒラケゴマの扉はこの道沿いにあったのか?

 少し大人になって、その本当の意味を教えてもらった時にはがっかりした。
 がっかりしたが、その後も私の中では、東と西の世界を結ぶその白い道のイメージは残り続けた。
中国北西部、楕円形に拡がる世界第二の砂漠地帯タクラマカン。
タクラマカンとは現地語で、「生きては戻れない」と言う意味らしい。
 その砂漠を包むようにして、ウルムチ、カシュガル、ホータンの町がある。
 それらはかつてシルクロード華やかなりし頃、東洋と西洋を結ぶ中継基地、オアシスの国家として栄えた。

シルクロードの旅 1994年9月〜11月

 
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